読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

これからの医療の話をしよう

日々の診療と世界の路上の間から、日本の医療について思うことを。

パチモノを推奨する厚労省の不思議 ーがんとメラトニンー

みなさんは、メラトニンという名前を聞いたことがありますか?

体内時計を整える働きのあるホルモンで、みなさんのカラダの中で毎日作られている物質です。

このホルモンは、海外では買えます。
睡眠薬(厳密には、安眠の為のサプリメント)として、製造販売されているからです。
アメリカではドラッグストアで、ビタミンCの隣に必ず置いてあります。
成人用のみならず、小児用すら用意されています。(添付写真)
三歳児に睡眠薬を盛るというのは、正直、薄ら寒い光景ですが、訴訟大国のアメリカで小児用と謳って販売され続けている以上、安全性が高い物質であるのは間違いないでしょう。

メラトニンは、日本で一般的に使われているベンゾジアゼピン睡眠薬ハルシオンマイスリーデパス etc)と較べて、依存状態になりづらいと言われています。
またベンゾ系と異なり筋弛緩作用もない為、夜間にトイレに起きたときに転びやすくなる心配がありません。

加えて、このメラトニンには抗がん作用があるという研究結果が数多く報告されています。本日付けで、Pubmed上にはメラトニンと癌の関係について、2040件の論文がヒットします。こういうメタ解析もあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3587994/

もちろん、その中には効くという報告もあれば、効果がないという報告もあります。
けれど、メラトニンは物質特許が切れている為、10mg錠が一粒20円という値段で、癌治療容量を服用しても一日40円です。
経済的な理由から、大規模な臨床試験は組まれないのです。
(RCTは組まれていますが、参加者は多くて100名程度です。思い出してください。プラビックスの試験では2万人の参加者がいたことを。)

ーーーーー

人間の体内にもともと存在する物質で、安全性が高く、かつひょっとすると、がん予防効果がある睡眠サプリメントメラトニン

これが、日本では買えません。
厳密に言うと一部の海外サイトで購入することは可能ですが、一般には流通していません。
(かつてはamazonで購入できた時期もあったようですが、ある時期を境に、各社とも一斉にサイト上から消えたそうです。)

何故か?
厚生労働省により未承認医薬品に分類される為、販売は薬事法違反になるからです。
ふーん。
サプリメントではなく、医薬品に分類した上で、かつ承認しないんだ?

ここで不満を言いたいところですが、やめておきます。
なぜなら、ここから更に驚愕の事実が続くからです。

ーーーーー
皆さんは、ロゼレムという名前をきいたことがありますか?

エヴァンゲリオンに出てきたような…?
違います。
これは武田薬品工業が開発した睡眠薬の名前です。
従来の睡眠薬より安全性が高いということをセールスポイントに、2010年に売り出され、昨年度は74億円の国内売上を記録した武田の主力製品の一つです。

これは、”メラトニンもどき”です。
メラトニンが作用するレセプターにくっついて、メラトニンと同じような働きをする物質です。
要は、メラトニンが鍵、レセプターが鍵穴だとすると、ロゼレムは針金を曲げて作った偽の鍵です。

このロゼレムは、日本で認可され、堂々と病院で処方されています。
しかも1錠85円というメラトニンよりずっと高い値段で。

???
オリジナルのメラトニンはダメで、偽物はOKなの?

メラトニンを規制しながらロゼレムを許可するからには、ロゼレムがメラトニンよりも安全、かつ効果が高いのが筋ってもんでしょう?

それなりの科学的根拠があるのかどうか、調べてみました。
ロゼレムは、確かにFDAの認可を受けています。つまり、安全性に関してはそこそこ認められたということです。
ロゼレムの保険採用にあたって、行われた試験はプラセボとの比較のみであり、メラトニンvsロゼレムという比較試験は存在しません。
そして、ロゼレムが癌に効果がある可能性を指摘する論文は、Pubmed上、一本もありません。

つまり、ロゼレムがメラトニンに勝る証拠はひとつもありません。
よくて引き分けか、それ以下です。

ロゼレムが販売されている国は、日本以外ではアメリカ、フィリピン、インドネシア、タイのみです。かつそれらの国での売上は、微々たるもののようです。
(武田のグローバル主要品目売上一覧に、ロゼレムは含まれません。)
それも当たり前ですね。
日本以外の国では、より安全性が高く、より自然で、加えて抗がん作用もあるメラトニンが、ロゼレムというパチモノよりずっと安価に買えるのですから。

ーーーーーーー
なぜ、厚生労働省メラトニンを認可せず、ロゼレムのみ認可しているのでしょう?

これはルイ・ヴィトンの輸入を禁止しながら、パチモノは堂々と政府の直売所で販売され、かつその値段がパリ本店で買う本物より4倍も5倍もするという、そういう状況です。
これはロゼレム製造元の武田薬品が、日本最大の製薬会社であることと無関係でしょうか?

今、ロゼレムを処方されている皆さん。
貴方には、ロゼレムをやめてメラトニンに切り替える自由があります。
以下のサイトから、本物のメラトニンを購入できます。
http://jp.iherb.com/Natrol-Melatonin-5-mg-60-Tablets/23958

そして、そのときは主治医にここに書かれたことを伝えてください。
僕は誰でも裏がとれる情報をベースに、ごく普通に考えられることを言っています。
まともなお医者さんなら理解してもらえるはずです。

ーーーーーーー

この厚生労働省の振る舞いから、僕らは何を教訓として学べばいいのでしょうか?

ポスト311とは、これまでの偽善が剥がれ落ちた時代です。
大変に辛いことですが、僕達は自分達の政府が、国民の為に存在していると素直に信じていられない時代を生きています。(というか、戦後日本というのが、例外的な時代だったのかもしれません。)
すこし意識を向ければ、あらゆるところに不都合な真実が見え隠れしています。

真実を知ることが幸せにつながるのか、僕にはわかりません。
(このロゼレム問題にしたって、知らなければ僕はのほほんとロゼレムを処方して、それで一件落着としていられたのです。)
けれど、ひとつ嘘を見つけてしまうと、ドミノ方式に自分の中で常識が覆ってしまうのです。

原発事故とその対応をめぐって、多くの人の中で、常識崩壊のドミノ連鎖が始まっています。
その作業は精神的にとっても疲れることです。
目を背け、思考を停止したくなる気持ちはすごくよくわかります。
しかし、もう引き返せないところまできてしまいました。
どうせなら、いくところまでいってやろう。
その先の景色がみてみたい。

僕は最近、そう思っています。

※:著者とサプリメント会社に一切の利益相反はないことを明記しておきます。